花のつくりと種子植物の分類
春に咲く桜やチューリップの花にはどのような共通の構造があるのでしょうか。花のつくりから植物の世界を分類していきます。
基本知識
典型的な花のつくり(外側から):
① がく(萼) — 花の根元、つぼみの時に保護
② 花弁(花びら) — 昆虫を誘う色
③ おしべ(雄しべ) — 先端のやくに花粉が入っている
④ めしべ(雌しべ) — 先端柱頭、中央花柱、根元の子房。子房の中に胚珠がある
受粉(花粉がめしべの柱頭につくこと)が起きると、胚珠 → 種子、子房 → 果実に変化します。
胚珠が子房に包まれている植物が被子植物 (Angiosperms)、子房がなく胚珠がむき出しの植物が裸子植物 (Gymnosperms)です。マツ・スギ・イチョウ・ソテツが裸子植物の代表です。
受粉 (pollination)(花粉がめしべの柱頭につくこと)
受精 (fertilization)(精細胞と卵細胞が合体すること。受粉の後に起こる)
胚珠 (ovule)(種子になる部分。子房の中にある)
子房 (ovary)(果実になる部分。めしべの根元のふくらみ)
被子植物 (Angiosperms)(胚珠が子房に包まれている。サクラ・アサガオ)
裸子植物 (Gymnosperms)(子房がなく胚珠がむき出し。マツ・イチョウ)
深掘り (背景・意義)
マツの花は花弁もがくもなく、雌花のりん片(鱗片)の内側に胚珠がむき出しに付いています。雄花のりん片には花粉のうがあり、風で花粉が運ばれます(風媒花)。
裸子植物は古生代に栄えた古いタイプの植物で、現存種は約1000種類。一方、被子植物は中生代白亜紀に登場し急速に多様化、現在25万種以上を擁する地球で最も繁栄している植物群です。
果物を食べると種が出てきますが、これは子房が果実になり、胚珠が種子になった結果です。リンゴの食べる部分はがくの周辺が発達したもので、純粋な「果実」とは少し異なります(偽果)。私たちが普段食べる「野菜」も、トマト・ナス・キュウリのように植物学的には「果実」に分類されるものが多くあります。
- 花のつくり(外→中): がく・花弁・おしべ・めしべ
- めしべ: 柱頭・花柱・子房・胚珠
- 受粉: 花粉が柱頭につくこと
- 胚珠 → 種子、子房 → 果実
- 被子植物=子房あり、裸子植物=子房なし
- 裸子植物の例: マツ・スギ・イチョウ・ソテツ
- マツの花は花弁・がくがなく、風媒花
注意点 (混同しやすい)
① 受粉(花粉が柱頭につく)と受精(精細胞と卵細胞が合体)は別。順序は受粉→受精。② 胚珠→種子、子房→果実。一字違いだが対応に注意。③ マツ・イチョウは裸子植物で、花は咲くが「花弁・がく」はない。④ サクラやチューリップは被子植物、マツは裸子植物。
練習
- めしべの根元のふくらんだ部分を何と呼ぶか。
- 受粉後、胚珠と子房はそれぞれ何になるか。
- 裸子植物の例を2つ挙げなさい。