世界のバイオーム 気候とバイオーム
地球上の植生は気候(気温と降水量)によって特徴的な姿になります。これをバイオーム(生物群系)と呼びます。
基本知識
バイオームは、ある気候帯に分布する生物全体のまとまりで、植生(相観)を基準に名づけられます。気温と降水量を2軸にとると、世界の主要バイオームは次のように分類されます。
熱帯・亜熱帯(高温多湿)
・熱帯多雨林: 多種多様な常緑広葉樹。アマゾン・コンゴ・東南アジア。
・亜熱帯多雨林: 沖縄・台湾など。
・雨緑樹林: 雨季・乾季がある熱帯。チーク・サラなど落葉広葉樹。
温帯
・照葉樹林: 暖温帯。スダジイ・タブノキなど常緑広葉樹。葉が光沢のあるクチクラ層をもつ。日本の関東以南。
・夏緑樹林: 冷温帯。ブナ・ミズナラなど落葉広葉樹。日本の東北・北海道南部。
・硬葉樹林: 地中海性気候(夏乾燥・冬多雨)。オリーブ・コルクガシ。
亜寒帯・寒帯
・針葉樹林(タイガ): 亜寒帯。エゾマツ・トドマツ・カラマツ。ロシアやカナダ。
・ツンドラ: 寒帯。コケ・地衣類・低木。
乾燥地
・サバンナ: 熱帯草原。アフリカ。
・ステップ: 温帯草原。モンゴル・北米プレーリー。
・砂漠: 降水量極少。サボテンなど。
バイオーム(ある気候帯の生物群集。気温と降水量で決まる)
熱帯多雨林(高温多湿・常緑広葉樹・多様性最大)
照葉樹林(暖温帯・常緑広葉樹・クチクラ層が発達)
夏緑樹林(冷温帯・落葉広葉樹・ブナなど)
針葉樹林(タイガ)(亜寒帯・常緑針葉樹・エゾマツトドマツ)
硬葉樹林(地中海性気候・夏乾燥・葉が厚く硬い)
サバンナ・ステップ・ツンドラ(熱帯草原・温帯草原・寒帯荒原)
深掘り
バイオーム分布図(縦軸:年平均気温、横軸:年降水量)では、左下に砂漠、右上に熱帯多雨林、というように主要バイオームが配置されます。同じ年降水量でも気温が低ければ針葉樹林、高ければ熱帯多雨林、と植生は大きく変わります。
日本は南北に長く、気候帯が亜熱帯〜冷温帯までグラデーションがあるため水平分布では沖縄=亜熱帯多雨林、九州〜関東=照葉樹林、東北〜北海道南部=夏緑樹林、北海道東部・北部=針葉樹林と多彩なバイオームが見られます。学習上、各バイオームの代表的な樹種を覚えるのが定番です(熱帯多雨林:フタバガキ、雨緑:チーク、照葉:スダジイ、夏緑:ブナ、針葉:エゾマツ、硬葉:オリーブなど)。
- バイオームは気温と降水量で決まる
- 暖温帯=照葉樹林(常緑広葉樹・クチクラ層)
- 冷温帯=夏緑樹林(落葉広葉樹・ブナ)
- 亜寒帯=針葉樹林(タイガ・エゾマツ)
- 地中海性気候=硬葉樹林(オリーブ)
- 熱帯草原=サバンナ、温帯草原=ステップ
- 寒帯=ツンドラ(コケ・地衣類)
注意点
① 照葉樹林(暖温帯・常緑)と夏緑樹林(冷温帯・落葉)を混同しない。② 雨緑樹林と夏緑樹林は名前が似ているが別物(雨緑=熱帯の乾季落葉、夏緑=冷温帯の冬落葉)。③ 硬葉樹林は夏乾燥・冬多雨の地中海性気候に特有。④ サバンナ(熱帯)・ステップ(温帯)・ツンドラ(寒帯)の3つの草原・荒原系統を区別。
練習
- 日本の関東以南で見られる、スダジイなどの常緑広葉樹を中心とするバイオームを何というか。
- ブナを中心とする冷温帯のバイオームを何というか。
- 地中海性気候で見られる、オリーブなど葉が厚く硬い樹木のバイオームを何というか。