磁界の中で電流が受ける力
磁界の中に導線を入れて電流を流すと、導線は力を受けます。この力こそモーターを回す原動力です。
基本知識
磁界の中に置いた電流に対し、磁界の向きと電流の向きの両方に垂直な方向に力がはたらきます。この力の向きはフレミングの左手の法則で求められます:
・中指: 電流の向き
・人差し指: 磁界の向き
・親指: 力の向き(導線が動く向き)
力の大きさを大きくする方法:
① 電流を大きくする
② 磁界を強くする
③ 導線の長さを長くする
電流または磁界のどちらか一方を逆にすると、力の向きも逆になります。両方逆にすると力の向きは元に戻ります。
フレミングの左手の法則(中指=電流、人差し指=磁界、親指=力)
電流が磁界から受ける力(電流・磁界・力が互いに垂直)
モーター(電動機)(電流が磁界から受ける力で回転する装置)
整流子(モーターのコイルに流れる電流の向きを切り替える部品)
ブラシ(整流子に接触して電流を流すための部品)
直流モーター(直流電流で回るモーター。整流子を持つ)
深掘り (背景・意義)
モーターは「磁界中の電流が受ける力」を利用して回転運動を生み出す装置です。基本構造:
① 永久磁石(または電磁石)で磁界を作る
② コイルに電流を流す
③ コイルの両側で力の向きが逆になる → 回転トルクが発生
④ コイルが半回転するたびに整流子で電流の向きを切り替え、回転を持続
モーターは現代社会の縁の下の力持ちです。電気自動車、エアコン、洗濯機、扇風機、エレベーター、新幹線、ハードディスク、CDプレーヤー、ドローン、ロボット──ありとあらゆる機械の心臓部です。
モーターと発電機は同じ機械の表裏です。電流を流せばモーター、外から回せば発電機になります。これは中学理科で最も大事な物理的洞察の1つです。
1830年代にファラデーとイギリスのスタージョンが基本原理を確立し、19世紀後半の電化革命の基盤となりました。
- フレミングの左手の法則(電流・磁界・力)
- 力を大きく: 電流大、磁界強、導線長く
- 電流か磁界どちらか一方を逆にすると力の向きも逆
- モーター = 磁界中の電流の力で回転
- 整流子で電流の向きを切り替えて連続回転
- モーターは現代社会の心臓部
- モーターと発電機は同じ機械の表裏
注意点 (混同しやすい)
① フレミングは左手で「電流の受ける力」(モーター)、右手で「誘導電流」(発電機)。左右を間違えやすい。② 中指=電流、人差し指=磁界、親指=力 の順番は「電・磁・力」と覚える。③ 電流と磁界の両方が必要。片方だけでは力は生まれない。④ 整流子(直流)とスリップリング(交流)で混同しないこと。
練習
- フレミングの左手の法則で、親指は何を表すか。
- 電流の向きを逆にすると、磁界中の導線が受ける力の向きはどうなるか。
- モーターでコイルに流れる電流の向きを切り替える部品の名前を答えなさい。