高校発展 / 物質の状態(気体・液体・固体) 4 / 6

状態変化と相図

状態変化と相図

物質は温度・圧力に応じて固体・液体・気体の3相を行き来します。それを図示したものが相図(状態図)です。

基本知識

相図は横軸に温度、縦軸に圧力をとり、各相の安定領域を境界線で分けます。
融解曲線: 固体↔液体の境界
蒸気圧曲線: 液体↔気体の境界
昇華曲線: 固体↔気体の境界
3線が交わる点が三重点(三相が共存)、蒸気圧曲線の終点が臨界点(液と気の区別がなくなる)です。
水の三重点は 0.01℃, 611 Pa、臨界点は 374℃, 22.1 MPa。水は融解曲線が左に傾く特殊な相図を持ち、加圧で融点が下がります(氷が水に浮く理由)。

📘 重要用語・公式
融解・凝固(固体↔液体。融解熱 ΔHfus
蒸発・凝縮(液体↔気体。蒸発熱 ΔHvap
昇華・凝華(固体↔気体。CO2, I2, ヨウ素)
三重点(3相共存の温度・圧力)
臨界点(蒸気圧曲線の終点)
超臨界流体(臨界点以上で液気区別なし。超臨界CO2はコーヒー抽出に利用)

深掘り (原理・応用)

状態変化の温度変化グラフは、加熱中に温度が一定になる水平区間を持ちます。ここで加えた熱は潜熱として相変化に使われ、温度上昇には寄与しません。水の融解熱 6.0 kJ/mol、蒸発熱 40.7 kJ/mol で、蒸発熱は融解熱の約7倍。
超臨界CO2は液体並みの密度と気体並みの拡散性を持ち、有機溶媒を使わずに天然物を抽出できるグリーン技術です(デカフェコーヒーで実用化)。臨界温度以上では蒸留分離ができないことも実務上重要です。

💡 ポイント
  • 相図の3線=融解・蒸気圧・昇華曲線
  • 三重点で3相共存
  • 臨界点 ⇒ 超臨界流体
  • 水の相図は融解曲線が「左傾」(特異)
  • 水の蒸発熱は融解熱の約7倍
  • 潜熱中は温度一定
  • ドライアイス(CO2)は常圧で昇華

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

三重点臨界点を混同しない。三重点=3相共存、臨界点=液気の区別消失。② 水は加圧で融点が下がる(融解曲線が左傾)、ほとんどの物質は加圧で融点が上がる。③ 潜熱(状態変化)と顕熱(温度変化)を区別。④ CO2は常圧では液体にならず固体から直接気体になる(昇華)。

練習

  1. 水の三重点の温度・圧力を答えよ。
  2. ドライアイス(CO2)が常温常圧で昇華する理由を相図の観点から説明せよ。
  3. 0℃の氷36 gをすべて100℃の水蒸気にするのに必要な熱量を求めよ(融解熱 6.0 kJ/mol、蒸発熱 40.7 kJ/mol、水の比熱 75 J/(mol·K))。
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このレッスンのQ&A

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