高校発展 / 化学反応とエネルギー 3 / 6

結合エネルギーと反応熱

結合エネルギーと反応熱

結合エネルギーは気相で1 molの結合を切断するのに必要なエネルギー(常に正)。反応熱は切断+生成のエネルギー差で推算できます。

基本知識

主な結合エネルギー[kJ/mol]: H-H=436, O=O=498, N≡N=945, C-H=413, C-C=348, C=C=614, C≡C=839, O-H=463, C=O(CO2中)=799。
反応熱の推算式: ΔH = Σ(反応物の結合エネルギー) - Σ(生成物の結合エネルギー)
切断には吸熱(正)、生成には発熱(負)が伴うため、反応物の結合が弱く生成物の結合が強いほど発熱が大きくなります。
結合エネルギーは平均値であり、分子により多少変動するため、計算値と実測値には数%のずれがあります。

📘 重要用語・公式
結合エネルギー(気相で1 mol結合を切断するエネルギー [kJ/mol])
解離エネルギー(特定の結合を1段階で切るエネルギー)
推算式(ΔH = Σ(切断) - Σ(生成))
単結合・二重結合・三重結合(順に強い)
解離熱(H2→2H, ΔH=+436 kJ/mol)
昇華熱(C(s)→C(g), ΔH=+715 kJ/mol。気相結合計算で必須)

深掘り (原理・応用)

結合エネルギーから、なぜ三重結合のN2(945 kJ/mol)が極めて安定で空気中で大量に存在しても反応しにくいかが説明できます。アンモニア合成(ハーバー法)で高温高圧と触媒が必要なのも、このN≡N切断の高いエネルギー障壁ゆえです。
炭化水素の燃焼で発熱が大きいのは、C-H/C-C結合よりC=O/O-H結合がはるかに強く、結合の組み替えで大きなエネルギーが解放されるためです。

💡 ポイント
  • 結合エネルギーは常に正(切断に必要)
  • ΔH = Σ切断 - Σ生成
  • 三重>二重>単結合の強さ
  • N≡N=945 kJ/molが特に強い
  • 固体C使用時は昇華熱+715が必要
  • 推算は平均値で数%誤差あり
  • 燃焼発熱は C=O, O-H 生成が源

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

① 結合エネルギーは常に。符号はΔHを組み立てるときに付ける。② 計算は気相を前提。固体C(s)など凝縮相が含まれる場合は昇華熱を加える。③ C-H結合エネルギーはCH4(439), C2H6(420)などで微妙に異なる平均値。④ 結合数(C-Hが何本あるかなど)を正確に数える。

練習

  1. H2(g)+Cl2(g)→2HCl(g) の ΔH を結合エネルギー(H-H=436, Cl-Cl=243, H-Cl=432)から求めよ。
  2. CH4分子のC-H結合は何本か。CH4(g)→C(g)+4H(g)の ΔH (C-H=413)を求めよ。
  3. N2が空気中の大半を占めるのに反応性が低い理由を結合エネルギーで説明せよ。
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このレッスンのQ&A

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