高校発展 / 無機化学(典型元素) 3 / 6

酸素・硫黄(16族)

酸素・硫黄(16族)

16族(酸素族)はO, S, Se, Te, Poからなり、2価陰イオンや+4/+6の酸化数を取り得る重要な元素群です。

基本知識

酸素: 大気の21%、地殻で最も多い元素(質量約46%)。同素体にO2(酸素)O3(オゾン)。O3は淡青色・特異臭・強酸化剤で、成層圏オゾン層が紫外線を吸収します。実験室では 2H2O2 → 2H2O + O2 (MnO2触媒)。
硫黄: 同素体に斜方硫黄(常温で安定、S8環)、単斜硫黄(高温で安定)、ゴム状硫黄(無定形)。化合物では H2S(腐卵臭、還元剤)、SO2(刺激臭、還元剤・漂白)、SO3(濃硫酸原料)。濃硫酸の製法は接触法: S → SO2 → SO3 → H2SO4、SO2→SO3の段階でV2O5を触媒として用います。

📘 重要用語・公式
オゾン O3(強酸化剤、淡青色気体、酸化数 0)
過酸化水素 H2O2(弱酸、酸化剤・還元剤両用)
硫化水素 H2S(腐卵臭、強還元剤、毒性高い)
二酸化硫黄 SO2(漂白剤・還元剤、HClOと違い色素自体を還元)
接触法(S→SO2→SO3→H2SO4、触媒V2O5
濃硫酸の性質(吸湿・脱水・酸化・不揮発性)

深掘り (原理・応用)

濃硫酸は化学工業の母なる酸と呼ばれ、世界年産2億トン超。肥料(硫安、過リン酸石灰)、染料、医薬品、自動車鉛蓄電池など用途は広大。
濃硫酸の4性質: ①吸湿性(乾燥剤)、②脱水性(スクロースを炭化、有機合成での脱水)、③酸化性(熱濃硫酸はCu, Agも溶かす: Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + SO2 + 2H2O)、④不揮発性(NaCl+H2SO4でHCl遊離)。
環境化学では SOx酸性雨の主因。火山ガスや化石燃料燃焼で大気放出され、 SO2 + H2O → H2SO3, 2SO2 + O2 → 2SO3 から硫酸雨となります。脱硫装置(石灰石スラリー法)が必須。

💡 ポイント
  • 酸素の同素体=O2とO3
  • 硫黄の同素体=斜方・単斜・ゴム状
  • 濃硫酸の4性質=吸湿・脱水・酸化・不揮発
  • 接触法触媒はV2O5
  • SO2は漂白剤兼還元剤(Cl2とは漂白原理が違う)
  • H2Sは強還元剤、金属イオンとの硫化物沈殿で系統分析に使う
  • SOxは酸性雨の原因物質

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

① 希硫酸は普通の強酸、熱濃硫酸のみ酸化性。冷たい濃硫酸はFe, Alと不動態を作るので扱えるが、加熱すると反応。② SO2の漂白は還元漂白(色素を還元)、Cl2酸化漂白。③ H2Sは毒性が高い(致死濃度数百ppm)、低濃度の腐卵臭で安心しない。④ H2O2は普段は酸化剤だがKMnO4のような強酸化剤に対しては還元剤として働く。

練習

  1. 接触法による濃硫酸製造の3段階の反応式を書け。
  2. 熱濃硫酸が銅を溶かす反応式を書け。
  3. SO2とCl2の漂白原理の違いを述べよ。
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このレッスンのQ&A

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