高校発展 / 神経系・刺激の受容と反応 2 / 6

活動電位と興奮の伝導

活動電位と興奮の伝導

ニューロンが刺激を受けると活動電位が発生し、電気信号として軸索を伝わっていきます。このメカニズムをイオンレベルで理解しましょう。

基本知識

活動電位の発生メカニズム:
脱分極: 閾値以上の刺激が加わると、電位依存性Na⁺チャネルが一斉に開口し、Na⁺が細胞内へ流入。内側の電位が約+40 mVまで急上昇する。
再分極: Na⁺チャネルが不活性化し、電位依存性K⁺チャネルが開口。K⁺が細胞外へ流出して内側の電位が下降する。
過分極: K⁺チャネルが閉じるまでK⁺が流出しすぎ、静止電位より少し負になる。
回復: Na⁺-K⁺ポンプが活動し静止電位(-70 mV)に戻る。
全か無かの法則: 閾値以上の刺激では、刺激の強さによらず同じ大きさの活動電位が発生する。閾値未満では発生しない。
興奮の伝導: 活動電位が発生した部位は一時的に不応期となり逆戻りできない。したがって興奮は一方向に伝わる。有髄神経ではランビエ絞輪間を跳躍伝導して高速化する。

例題
「全か無かの法則」について、刺激の強さと活動電位の関係を説明しなさい。
解答: 刺激が閾値に達すると、それ以上強くしても弱くしても同じ大きさの活動電位(約110 mV)が発生する。閾値未満では活動電位は発生しない。刺激の強さは活動電位の発生頻度(発火頻度)によって符号化される。
ポイント
  • 脱分極=Na⁺チャネル開口→Na⁺流入→内側+40 mVへ
  • 再分極=K⁺チャネル開口→K⁺流出
  • 全か無かの法則=閾値超で一定の活動電位
  • 不応期=活動電位発生直後は再興奮できない
  • 跳躍伝導=有髄神経のランビエ絞輪間を飛び越える
  • 興奮の伝導は一方向(不応期のため)

注意点

① 脱分極はNa⁺の流入、再分極はK⁺の流出。方向を逆にしない。② 全か無かの法則は個々のニューロンの法則。③ 不応期があるため興奮は一方向にしか伝わらない。

練習

  1. 活動電位の脱分極期に主に流入するイオンは何か。
  2. 「全か無かの法則」とは何か、簡潔に説明しなさい。
  3. 有髄神経で興奮がランビエ絞輪間を飛び越えて伝わる現象を何というか。

このレッスンのQ&A

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