気圧と高度の関係
大気圧は地上で最大で、高度とともに急速に低下します。この気圧変化は天気予報から登山・航空まで幅広い場面で重要です。
基本知識
大気圧(気圧)はその高度より上にある空気の重さ(重力)によって生じます。地上での標準大気圧は1013.25 hPa (1気圧 = 101325 Pa)。
高度とともに空気の量が減るため気圧は低下します。経験則として高度が約5.5 km上がるごとに気圧が約半分になります。(高度10 km ≈ 264 hPa, 高度20 km ≈ 55 hPa)
気圧変化の数式: P = P₀ × exp(−h/H)。Hはスケールハイト(約8.5 km)。
気圧の高低が高気圧・低気圧を生み出し、大気の流れ(風)の原因になります。
・高気圧: 周囲より気圧が高い。下降気流。晴天。北半球では時計回りに風が吹き出す。
・低気圧: 周囲より気圧が低い。上昇気流。曇り・雨。北半球では反時計回りに風が吹き込む。
高山では気圧が低く酸素分圧も下がるため高山病のリスクがあります。富士山頂(3776 m)の気圧は約630 hPa(地上の約62%)。
標準大気圧(1013.25 hPa = 1 atm = 760 mmHg)
スケールハイト(気圧が1/e≈37%になる高度差。約8.5 km)
高気圧(下降気流・晴天。北半球=時計回りに風が吹き出す)
低気圧(上昇気流・悪天候。北半球=反時計回りに風が吹き込む)
等圧線(同じ気圧の点を結んだ線。間隔が狭いほど風が強い)
深掘り
大気は圧縮性流体なので、高度とともに密度も低下します。対流圏では断熱減率が支配的で、空気が上昇すると膨張して冷えます。この冷却で水蒸気が凝結して雲が生じます。
気象観測ではラジオゾンデ(気球に吊り下げた気象観測器)を用いて高層の温度・湿度・風速を測定します。日本では1日2回(午前9時・午後9時)、全国各地で打ち上げられています。
気圧の国際単位はPa(パスカル)ですが、気象分野ではhPa(ヘクトパスカル)が使われます。かつて使われていたミリバール(mb)と1 hPa = 1 mb で数値は同じです。
- 標準大気圧: 1013.25 hPa(地上)
- 高度約5.5 kmごとに気圧が約1/2
- 高気圧=下降気流・晴れ
- 低気圧=上昇気流・雲・雨
- 北半球:高気圧=時計回り、低気圧=反時計回り
- 富士山頂の気圧は地上の約62%
注意点
① 高気圧と低気圧は「絶対的な気圧の値」ではなく「周囲と比べた相対的な高低」で決まる。② 北半球と南半球では高気圧・低気圧の風向きが逆になる(コリオリ力の方向が逆)。③ 等圧線の間隔が狭い=気圧傾度力が大きい=風が強い。
練習
- 標準大気圧は何hPaか。
- 北半球において低気圧に吹き込む風の向き(時計回り/反時計回り)を答えなさい。
- 高山病が起きやすい理由を「気圧」と「酸素」を使って説明しなさい。