恒星の進化:主系列から最終段階へ
恒星は質量によって全く異なる最終段階を迎えます。太陽は白色矮星に、大質量星は中性子星またはブラックホールになります。
基本知識
恒星は星間ガスが重力収縮して原始星となり、核融合が始まって主系列星になります。
太陽程度の星(0.5〜8M☉)の進化:
コアの水素枯渇→コア収縮・外層膨張→赤色巨星(ヘリウム核融合開始)→外層を惑星状星雲として放出→コアが白色矮星として残る(チャンドラセカール限界8の1.4M☉未満)。
大質量星(8M☉以上)の進化:
水素→He→C→O→Ne→Mg→Si→Fe(鉄)と核融合が進む(Fe以上は核融合でエネルギーを出せない)→鉄コアが重力崩壊→II型超新星爆発→コア密度が核密度に達して中性子星(M < 3M☉相当)またはコアがブラックホール(M > 3M☉相当)として残る。
赤色巨星(水素殻融合で外層が膨張した晩期星。太陽は50億年後にこれになる)
惑星状星雲(赤色巨星が外層を放出してできるリング状の輝くガス雲)
白色矮星(太陽程度の星の燃え殻。1.4M☉未満・地球大・高密度)
チャンドラセカール限界(白色矮星の最大質量 約1.4M☉。超えるとIa型超新星)
超新星(大質量星の鉄コア崩壊による大爆発。重元素を宇宙に散布)
中性子星(超新星後に残る高密度天体。半径約10km・密度10¹⁴g/cm³)
深掘り (背景・意義)
Ia型超新星はチャンドラセカール限界に達した白色矮星が爆発するもので、光度が一定(標準光源)なため宇宙の距離測定に使われます。1998年にIa型超新星の観測から宇宙膨張の加速が発見され、ノーベル賞(2011年)につながりました。
中性子星の一種パルサーは強磁場と高速自転で電磁波ビームを規則正しく放出する天体です。1967年にジョスリン・ベルが発見し、最初は人工電波か(LGM仮説)と話題になりました。
恒星内部で合成された重元素は超新星爆発で宇宙空間に散布され、次世代の星・惑星・生命を構成します。「私たちは星の塵でできている」(カール・セーガン)という言葉は科学的な事実です。人体の鉄・カルシウム・酸素などはすべて超新星爆発の産物です。
- 太陽程度(〜8M☉):主系列→赤色巨星→惑星状星雲→白色矮星
- 大質量(8M☉〜):主系列→赤色超巨星→超新星→中性子星/BH
- 鉄以上の核融合ではエネルギーが出ない
- チャンドラセカール限界=1.4M☉
- Ia型超新星=標準光源→宇宙膨張加速の発見に貢献
- 中性子星:半径約10km・密度10¹⁴g/cm³
- 超新星爆発が重元素を宇宙に散布
注意点 (混同しやすい)
① 惑星状星雲は惑星とは無関係(見た目が惑星に似ていたため名付けられた)。② II型超新星(大質量星の重力崩壊)とIa型超新星(白色矮星の熱核爆発)は別物。③ 白色矮星(1.4M☉未満)・中性子星(1.4〜3M☉相当)・BH(3M☉以上)の限界質量の順序。④ 赤色巨星と赤色超巨星は同類だが後者の方が質量・サイズともに大きい。
練習
- 太陽程度の恒星が最終的に残す天体の名前を答えなさい。
- 鉄コアが重力崩壊して起こる爆発を何というか。
- チャンドラセカール限界とは何M☉か。