天の川銀河の構造
私たちが属する天の川銀河(銀河系)の構造と太陽系の位置を理解することは、宇宙における自分の位置を知ることです。
基本知識
天の川銀河は棒渦巻き銀河(SBbc型)で、直径約10万光年・厚さ約1000光年の円盤状の銀河円盤と、中央のバルジ(球状に膨らんだ核)、円盤を球状に取り囲むハローからなります。
太陽系は銀河中心から約2万6000光年の位置にあり、オリオン腕(銀河腕の一つ)に属します。銀河中心を約2億2000万〜2億5000万年で1周(銀河年)します。
銀河中心には超大質量ブラックホールいて座A*(Sgr A*)が存在し、質量は太陽の約400万倍です。2022年にEHTによる初の直接撮影が成功しました。
天の川銀河は約50個の銀河からなる局部銀河群に属し、最大の銀河はアンドロメダ銀河(M31、約250万光年)です。
銀河円盤(天の川銀河の平たい円盤部分。直径10万光年・若い星・ガスが多い)
バルジ(銀河中心部の球状の膨らみ。老いた赤い星が多い)
ハロー(銀河を球状に囲む領域。球状星団・ダークマターハローが分布)
いて座A*(Sgr A*)(銀河中心の超大質量BH。質量約400万M☉)
局部銀河群(天の川銀河を含む約50個の銀河の集まり。直径約1000万光年)
銀河年(太陽系が銀河中心を1周する時間。約2億2000万〜2億5000万年)
深掘り (背景・意義)
銀河ハローには大量のダークマター(暗黒物質)が分布しており、天の川銀河の総質量の約85%を占めると推定されています。ダークマターは光を出さないため直接観測できませんが、銀河外縁部の回転速度曲線から存在が強く示唆されます(外縁部でも回転速度が落ちない=目に見えない質量が存在する)。
天の川とアンドロメダ銀河(M31)は約40億年後に衝突・合体すると予測されています。その際、太陽系が別の銀河に投げ出される可能性もありますが、星同士の間隔が広すぎて恒星の衝突は稀です。
球状星団(ハロー中に分布する古い星の集団、約100億〜130億歳)は天の川銀河初期の星形成の証拠であり、宇宙の年齢の下限を制約する独立な手がかりです。
- 天の川銀河:直径10万光年・棒渦巻き銀河
- 太陽系:銀河中心から約2.6万光年・オリオン腕
- 銀河年:約2.2〜2.5億年
- 銀河中心:Sgr A*(超大質量BH・約400万M☉)
- 局部銀河群:天の川+アンドロメダ等 約50個
- ダークマターが銀河質量の約85%
- 約40億年後:アンドロメダと衝突・合体予測
注意点 (混同しやすい)
① 天の川(Milky Way)は銀河面を内側から見た光の帯で、銀河全体の外観ではない。② 銀河系と銀河の区別(銀河系は天の川銀河の日本語表現)。③ Sgr A*は天の川銀河中心のBH(M87*より小さい・約400万M☉)。④ 局部銀河群とおとめ座銀河団(局部銀河群を含む大集団)は別スケール。
練習
- 天の川銀河の直径はおよそ何光年か。
- 太陽系は銀河中心からおよそ何光年の位置にあるか。
- 天の川銀河中心に存在する超大質量天体の名称を答えなさい。