理科
化学生物
自然科学研究機構 分子科学研究所の杉本泰伸研究員、理化学研究所の水流翔太特別研究員、分子科学研究所/総合研究大学院大学の長坂将成助教らは、室温(25℃)の水溶液中にあるミオグロビンについて、ヘムの鉄イオンのスピン状態を軟X線吸収分光で観測することに成功した。ポルフィリン環の窒素の吸収端を使い、タンパク質本体のポリペプチド鎖に含まれる大量の窒素に埋もれずにC=N π*ピークを取り出せた。酸素が結合したオキシ型は低スピン(S=0)、酸素が外れたデオキシ型はS=2とS=1、鉄が3価になったメト型はS=5/2とS=3/2が混ざった平衡状態だった。論文はPhysical Chemistry Chemical Physics誌に2026年8月24日オンライン掲載、発表は9月7日。
社会
公民経済
内閣府が2026年9月7日に公表した景気動向指数(2026年7月分速報)。CI(2020年=100)は先行指数117.9(前月比+1.7、2か月ぶりの上昇)、一致指数120.6(+1.7、2か月連続の上昇)、遅行指数113.3(+1.6)。一致指数の上昇には投資財出荷指数(除輸送機械)が+0.68、商業販売額(小売業)が+0.47寄与した。一致指数の基調判断は「改善を示している」で据え置き。
理科
地学化学
NASAの火星探査車キュリオシティが2024年5月30日にゲール・クレーターのゲディズ・バリス水路で車輪で割った石の中から、黄色い結晶が見つかった。X線分光装置APXSの分析で、硫酸塩や硫化物ではなく単体の硫黄(自然硫黄)と確認された。火星で単体の硫黄が確認されたのは初めて。ワシントン大学(セントルイス)のスコット・ヴァンボメル氏ら14人の論文はScience誌に2026年6月28日にオンライン掲載、8月20日号の表紙になった。硫黄の主な供給源はマグマの蒸気で、地下の凍った層で冷えて固まり、水路の侵食で圧力が下がって放出されたと提案している。
理科
物理素粒子
米サウスダコタ州の地下約1.5kmにある暗黒物質探索実験LUX-ZEPLIN(LZ)は2026年9月1日、2023年3月から2024年4月までの220日分のデータの中に、既知の背景では説明しにくい原子核の反跳イベントが1回あったと発表した。反跳エネルギーは248±23(統計)±23(系統)keV。背景だけで説明できる確率は0.5%程度(2.6σ)で、素粒子物理で「発見」とされる5σには届かない。もし暗黒物質なら質量は陽子の200倍以上。研究チームは「暗黒物質を見たとは主張しない」と明言している。
理科
地学地震
2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方の深さ16kmでマグニチュード7.1(暫定値)の地震が起き、宇城市と氷川町で震度7を観測した。気象庁はこの地震と一連の活動を「令和8年熊本地震」と名付けた。震度1以上の地震は7月28日の16時から24時までに194回、29日に144回、30日に62回と減り、8月下旬には1日数回、9月4日9時までの累計は747回。気象庁は9月1日の発表で、揺れの強かった地域では今後3〜4週間、最大震度5弱程度以上の地震に注意が必要としている。
国語
学習指導要領科目
文部科学省の中央教育審議会・国語ワーキンググループが2026年8月4日に公開した取りまとめ案(会議後修正)。高校の必履修は「現代の国語Ⅰ」「言語文化Ⅰ」(仮称)の2科目を維持。選択科目は現行の「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」(各4単位)を組み替え、大多数の生徒が履修する4単位の「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」と、2単位の発展科目「論説と批評」「対話と表現」「文学と創作」「古典と文化」(いずれも仮称)を新設する。
情報
量子コンピュータ光
大阪大学、情報通信研究機構(NICT)、浜松ホトニクスは2026年9月1日、数マイクロメートル間隔に並んだ中性原子10個から出る光子を、32チャンネルの集積光導波路アレイで同時に検出する「10多重量子光インターフェース」を発表した。多重度10は世界記録で、原理的には約100多重まで拡張できる。論文は8月31日に光学の学術誌Opticaに掲載された。
数学
確率グラフ
パーコレーション(浸透)理論で、辺をランダムに残したとき「巨大なつながり」が現れる確率の切り替わりが、臨界点を超えた側でも急激(シャープ)であることを、無限の推移的グラフ全てについて証明した。1980年代に格子で示され、1996年にベンヤミニとシュラムが一般化を予想していた。ETHチューリッヒのディスキン、イーゾー、ラダクリシュナン、スダコフ、タシオンの5人の論文で、2026年3月にプレプリント公開、8月31日にQuanta Magazineが報じた。
社会
公民経済
財務省が2026年9月1日に公表した法人企業統計(2026年4〜6月期)。全産業(金融・保険業を除く)の経常利益は44兆6,668億円で前年同期比+24.6%、統計がある289四半期で最も多い。製造業は+57.0%。売上高は393兆9,377億円(+5.9%)。設備投資は13兆250億円(+1.6%)で製造業は−3.7%。
理科
地学気象
気象庁が2026年9月1日にまとめた「2026年夏(6〜8月)の天候」。夏の平均気温は平年との差が北日本+1.2℃、東日本+0.8℃、西日本+1.2℃、沖縄・奄美0.0℃。西日本では7月中旬、7月下旬、8月下旬の旬平均気温が1946年の統計開始以降で最も高かった。関東甲信は台風と豪雨で降水量が平年の141%。
英語
語彙語源
オックスフォード英語辞典(OED)は2026年7月2日、900を超える新しい語・句・語義を追加したと発表した。floordrobe、humblebrag、life hack、long game、four-legged friendなど。four-legged friendの最も古い用例は1778年のロバだった。
社会
公民人口
厚生労働省が8月28日に公表した人口動態統計速報(2026年6月分)。1〜6月の累計は出生342,068人(前年比+0.8%)、死亡778,982人(−6.9%)、自然増減は−436,914人で前年の−497,538人から6万人縮小した。
情報
通信ノイズ
スペースワンは2026年8月30日、3月5日に打ち上げ68.8秒後に飛行中断した小型ロケット「カイロス」3号機の原因を、機体にたまった静電気による電気ノイズと発表した。ノイズで通信ソフトが再起動し、一時的に通信が途絶えたため、自律飛行安全システムが飛行中断を実行した。
理科
物理光
NASAのX線偏光観測衛星IXPEがマグネター1E 1547.0-5408を140時間以上観測し、X線の偏光が同種の天体の約3倍という異常に高い値を示した。1936年にハイゼンベルクが予言した真空複屈折の、90年で最も強い証拠とされる。
理科
地学惑星
火星の南半球のマントルは北半球より200〜400℃高温で、一部が溶けている可能性がある。NASAの周回機3機の電波追跡データ16年分を解析した結果。
理科
化学結晶
東京科学大が、温めると縮む材料BNFOを「ガラスのように結晶構造を持たない原料」から直接つくる方法を発表。従来の約950℃・多段階の反応が、750℃・1分未満で結晶化し、粒子も約15→約5マイクロメートルに小さくなった。
理科
地学宇宙望遠鏡
NASAは2026年8月30日、視野がハッブル宇宙望遠鏡の少なくとも100倍ある赤外線宇宙望遠鏡「ローマン」を打ち上げた。今後、暗黒物質・暗黒エネルギーの解明や系外惑星探しに使われる。
社会
雇用統計労働力調査
総務省統計局が2026年8月28日、労働力調査(基本集計)2026年7月分を公表。雇用者数は前年同月より36万人増え、53か月連続の増加となった。
国語
音声・アクセント方言
国立国語研究所が2026年8月27日、方言のアクセントが標準語でも残る理由を解説する記事を公開。赤ちゃんが最初に覚える音の特徴ほど、大人になっても失われにくいという。
理科
地学銀河
ESAは2026年8月27日、ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した不規則銀河Arp 263(約2500万光年先)の画像を公開した。星とガスの向きのずれなどから、過去の銀河合体の跡と考えられている。
社会
学校基本調査少子化
文部科学省が2026年8月26日、令和8年度学校基本調査の速報値を公表。小学校の児童数は過去最少、大学の在学者数は過去最多となった。
理科
有機化学芳香族化合物
理化学研究所と名古屋大学は2026年8月26日、複雑なナノグラフェンをわずか2段階の反応で合成する手法を発表した。8~10個の環が連なった分子を、平面から湾曲した構造まで作り分けられる。
情報
物理AI
2つのニューラルネットを組み合わせ、数日かかっていた半導体の内部解析を1ミリ秒未満に短縮。学習データは従来の約100分の1の約400件。
理科
海洋サンゴの白化
東京大学などは2026年8月25日、2024年の記録的な海洋熱波が沖縄から本州まで全国でサンゴの白化を引き起こしたと発表した。北へ広がったサンゴも被害を受け、温帯が『避難地』にならない可能性を示した。
理科
地学太陽系外惑星
NASAは2026年8月25日、系外惑星探査衛星「パンドラ」が科学観測を始めたと発表した。1年間で少なくとも20個の系外惑星を、それぞれ10回・24時間かけて観測する計画。
理科
地学太陽系
国立天文台などが、すばる望遠鏡のアーカイブ画像に偶然写り込んだネウイミン彗星の姿を発表した。太陽光をほぼ正面から受ける配置(位相角0.33度)で、小惑星より強く光を反射していた。
理科
地学恒星
ALMA望遠鏡が2026年8月24日、ベテルギウス表面のホットスポットが7年以上同じ場所に留まっていたと発表した。表面の平均温度は約2300K、ホットスポットは最大800K高かった。
国語
日本語教育公民
2026年8月18日、在留外国人向けの日本語・制度学習プログラムを検討する政府の有識者ワーキンググループが初会合を開いた。委員6人、座長は高橋進氏。2028年度中の試行を目指す。
英語
語彙造語
辞書は新しい語をいきなり載せるのではなく、まず使われ方を観測する。ケンブリッジ辞典のブログが2026年8月17日に挙げた休暇まわりの新語と、その作られ方。
数学
組合せ論証明
1998年から更新されていなかったコムロス予想の上限が、log N の平方根から4乗根へ縮んだ。ミシガン大とシカゴ大の2人による証明。
社会
公民経済
内閣府が2026年8月17日に公表した2026年4〜6月期のGDP1次速報。全体は3期連続のプラスだが、家計の消費と企業の設備投資はマイナスだった。
社会
公民経済
財務省が2026年8月20日に発表した7月分の貿易統計。輸出も輸入も2割以上増えたが、輸入の伸びが上回り6345億円の赤字。量と金額のずれが目立つ。
社会
公民経済
2026年8月21日公表。総合指数は前年同月比1.9%上昇で6月の1.6%から加速。上げているのは食料と通信、下げているのは教育で、高等学校授業料(私立)は73.2%の下落。
社会
公民人口
2026年8月20日公表の人口推計。総人口の減少は61万人だが、日本人だけを見ると86万6千人減っている。差を埋めているのは外国人人口の25万7千人増。
情報
高校 情報I データの活用高校 生物 遺伝子の発現
カリフォルニア大サンディエゴ校のチームが、イニシエーターと呼ばれるDNA配列の変異体を約50万通り作って一斉に測定し、機械学習でパターンを解読した。ヒトの遺伝子の約60%がイニシエーターを持つと予測できた。
数学
中学数学 データの活用高校 数学I データの分析
ペンシルベニア州立大などが米国の成人1,000人に調べたところ、62%が統計の知識はない、または限られていると答えた。一方で90%は「もっと理解できれば統計をもとに判断したい」と回答した。
社会
中学社会 歴史的分野 文明のおこり高校 世界史探究 先史時代
セルビアの新石器時代の集落跡から出土し、20年近く誤って分類されたまま保管されていた長さ23mmの資料が、穴を開けたヒトの犬歯だと判明した。中央バルカンの新石器時代で確実に記録された唯一のヒトの歯の装飾品となる。
理科
中学理科 状態変化高校 物理基礎 熱
KAISTの研究チームが、極薄の高分子コーティングの厚みと構造を制御し、水蒸気が水に戻るときの熱の伝わりやすさを従来の銅表面の最大5.5倍にした。熱伝達係数は最大88 kW・m⁻²・K⁻¹。
理科
中学理科 気象とその変化高校 地学基礎 大気と海洋
8月23日15時の時点で、台風18号・19号・20号が同時に存在している。最も強いのは18号で、中心気圧950hPa、中心付近の最大風速45m/s。八重山地方では23日夕方にかけて線状降水帯のおそれが伝えられた。
情報
情報I情報II
国立情報学研究所が約332億パラメータの日本語大規模言語モデルを公開。Apache License 2.0で、学習に使ったDPOデータセットも合わせて公開された。
理科
地学物理基礎
2025年1月に打ち上げられたファルコン9の上段が2026年8月5日に月面へ衝突。NASAの月周回探査機LROが8月11日に衝突跡を撮影した。
理科
生物免疫
90代まで少ないままのCD4陽性キラーT細胞が、100歳を超えると顕著に増える。クローン由来なのに機能は多様で、消耗した様子もなかった。
理科
生物基礎体液の恒常性
HDLコレステロールの値が同じでも、血管から余分なコレステロールを回収する能力が低い人ほど、危険なプラークが大きかった。細胞を使わない新しい測定法で確認。
理科
化学高分子
銀ナノワイヤと導電性高分子を組み合わせ、厚さ約200ナノメートルで水に強い透明導電膜を開発。脳の活動記録と血管の観察を同時に行える。
理科
物理電気抵抗
ニッケル酸化物の薄膜にひずみを加えることで、常圧の超伝導と超高圧の超伝導を同じ試料で観測。転移温度は約40Kから最高73Kまで上がった。
理科
物理基礎化学
セレン化鉄の単原子層を別の結晶の内部に埋め込むことで、薄膜でしか出せなかった性能を塊の材料で実現した。熱電性能は塊状のセレン化鉄の約100倍。
理科
光周性開花のしくみ
筑波大学などは2026年8月21日、植物が気温の記憶から開花の季節を予測する『季節メーター』の仕組みを発表した。ワサビとハクサンハタザオでは3つの遺伝子が数日・数週間・約5か月と異なる長さの気温記憶を担っていた。
理科
地学惑星探査
JAXAは2026年8月20日、火星衛星探査機MMXを搭載するH3ロケット10号機を10月20日4時41分に打ち上げると発表した。MMXはフォボスから10g以上のサンプルを持ち帰る計画。
理科
波の干渉二重スリット実験
東京大学などは2026年8月20日、シリコン結晶の隣り合う原子2個を『二重スリット』に見立て、電子線の干渉じまを観測したと発表した。スリット間隔はヤングの実験より約7桁小さい136pmだった。
情報
データベース情報Ⅰ
国立情報学研究所が2026年8月18日、日本の機関リポジトリ約400万件の研究成果を世界最大級の学術データベース「OpenAlex」に統合したと発表した。